経済日報によると、両社の交換比率はTECOの1株に対しフォックスコンの0.305株。25年第4四半期に取引を完了する見込みで、フォックスコンはTECO株式10%を取得して第2位の株主になる。一方、TECOはフォックスコン株の0.519%を取得する。
フォックスコンの巫俊毅スポークスパーソンは、両社が増資による株式交換を通じて、グローバルAIデータセンター市場を見据えた戦略的同盟を築くと指摘。フォックスコンとTECOが、機電とICT(情報通信技術)の強みを融合することで、データセンターの標準化とモジュール化を推進していくとした。巫氏は、サーバーの前工程(基板からサーバーまで)は既に標準化が進んでおり、大量生産のスピードが向上しているものの、後工程は未整備で、データセンターの構築は需要に速度が追いついていないと指摘。その上で、両社の戦略提携はまず台湾、アジア、米国、中東等の地域に重点を置いて、顧客のサーバールーム構築時間とコスト削減を目的にしていると述べた。
TECOは、サーバールーム内の構築(サーバー、冷却装置、UPS等)をフォックスコンが担当、サーバールーム外のコア機電製品(モーター、バスバー、発電機、変圧器、配電盤等)及び電力インフラをTECOが担当するとした。
経済日報の伝えた関係筋は、フォックスコンが12.71%のプレミアムで提携を決断したのは、TECOの2つの重要なカードが背景にあると指摘。1つはTECOが25年3月、マレーシアの電機エンジニアリング企業NCL株の80%を取得し、現地で受注した2件のデータセンタープロジェクトについて、主契約業者資格を確保していることだとした。もう1つは、米テキサス州の完全子会社TECO-Westinghouseが米国エネルギー省(DOE)及び国防総省(DOD)の契約業者資格を有しており、米連邦政府調達システムに正式登録済みであることから、TECOとの提携でフォックスコンは、従来の下請け(サブコントラクター)から、米国政府AIデータセンター案件の主契約者に飛躍する可能性が高まることだとした。
同紙の伝えた台湾の業界筋は、TECO-Westinghouseが、米の製造市場にフォックスコンが参入するための重要な橋渡し役になるとの見方を示した。
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